「東京建築祭 2026」
- Kiyoshige TAKAYAMA
- 5月26日
- 読了時間: 7分
更新日:5月28日
3年目となる東京建築祭が5月16日(土)から24日(日)に開催され、ガイドツアー、建築見学やまち歩きに行ってきました。
5月19日(火)15:00〜15:30
【ミナガワビレッジ】再生建築がつなぐ土地の記憶」(ガイドツアー)
再生建築研究所が設計し、自ら入居・運営するミナガワビレッジ。表参道に残る築60年の木造建物群を、複合施設へと再生しました。複雑な既存状況を引き受け、法的課題と向き合いながら、土地の記憶を継承し多様な使い方を生み出しています。当時のオーナーがDIYで築いた築山も残され、都心とは思えない自然とコミュニティが息づく場となりました。設計事務所内部や中庭などを見学し、再生の思想を空間から読み解きます。(※公式サイトより)

・全景:左側は書店の予定。右側はカフェ。古い住宅の面影を残して新築。

・1階:フリースペース 風が各部屋へ抜ける。DIY精神が引き継がれており良い。

・1階:書店としてオープン予定
5月20日(水)15:00〜15:30
【日本橋浜町】まちづくりの仕掛け人と歩く、新たな魅力が生まれ続けるまち(ガイドツアー)
「まちに開く建築」を起点に独自の再開発で注目を集める日本橋浜町エリアを、街づくりの仕掛け人、安田不動産の担当者と、オンデザインパートナーズの設計者が案内。まちに点在する個性豊かな建築を巡りながら、街区再編や空間設計の工夫、未活用地の活用アイデアに触れ、多角的な視点から日本橋浜町の魅力を体感するツアーです。※

・HAMACHO HOTEL TOKYO:ホテル、集合住宅、ショップなどの複合施設。「手仕事」と「緑」の見えるまちづくりを表す、この地域の旗艦建物。

・HAMACHO FUTURE LAB:違法建築を減築、敷地を切り直すなどして再生。
5月22日(金)11:00〜12:00
【神田多町・須田町】震災から戦火を生き抜いた町並みを歩く」(ガイドツアー)
神田多町は江戸、明治、大正を通して、青果市場として栄え、昭和3年に秋葉原に移転するまで、江戸東京の台所を支えてきました。多町大通りとその周辺は東京大空襲で焼け残ったため、大正12年関東大震災後にできた町家建築、銅板建築、看板建築などが今も数多く残っています。関東大震災後にできた靖国通りの北側の神田須田町は朝ドラでもロケに使用された商家が集まっているエリアです。神田駅から須田町まで北進し、最後は旧万世橋駅で解散します。※


・看板建築が大切に使われている。小雨の中、東京ヘリテージマネージャの会方による案内。ボランティアの方も親切にありがとうございました。
5月22日(金)15:00〜16:00
【桜縁荘(旧唐木田家住宅)】更地の危機から次の100年へ。大正住宅の改修プロジェクト
(ガイドツアー)
1920年に建てられ、まちの暮らしとともに時を重ねてきた桜縁荘。解体の危機をきっかけに、この建物を現代にどう引き継ぐのかを模索しながら改修が行われました。本ツアーでは、伝統構法の大正家屋の特徴や意匠から、耐震補強などの改修工程、今後の活用を見据えたリノベーションのポイントまで、具体的にお話しします。ひとつの建築が受け継がれていくプロセスを、ぜひ体感してください。※

・外観:雨の日でしっとりと落ち着いて良い時に伺えた。一時は不動産サイトに新築イメージが掲載されるまでになったそうだ。

・1階:関東大震災、戦争を生き抜き、建具や昭和ガラスなど大切に活用している。低い位置からの眺めがとても良い。

・キッチン:以前の面影を残しながら、使いやすく改修。新旧のコントラストが良い。ここから全体を見渡すことができるそうだ。

・裏側:隣地に面する部分は新しく改修(延焼ライン?)
5月23日(土)12:00頃
【神田ポートビル】(特別公開)
神田の地で100年以上印刷業を営む精興社のビルを再生し、文化複合施設として生まれ変わった神田ポートビル。神田錦町に息づく文化的な歴史を受け継ぎながら、サウナや學校、ギャラリー、茶室など、異色の「知」が融合した、まちの新たな魅力を生み出す場となっています。※

・1階:ビルが建て込む中、立ち寄りやすい雰囲気がある。

・地下への階段:以前の面影が感じられる。

・3階:ほぼ日の学校 和田誠さんの書棚
5月23日(土)12:30頃
【岡田ビル】(特別公開)
大胆な「減築」によって見事に再生した岡田ビル。築約50年のオフィスビルを、床面積を減らすことで現代の法規制に適合させつつ、採光・通風を実現した、再生ならではの快適な空間を創出したプロジェクトです。※

全景:中央が屋上まで続く階段。左右に減築した吹き抜けが、周囲に対して奥行きを感じさせる。

・1階 吹き抜けを介して、2階の店舗へ行ける。

・屋上へ至る階段:階段やエレベーターの出入り口方向なども大胆に付け替えている。
5月23日(土)13:00頃
【パレスサイド・ビルディング】(特別公開・特別展示)
光を取り込むガラスカーテンウォール、合理的な円筒コア構造など、革新的な設計思想が息づくオフィスビル。皇居の緑を望む立地と調和しながら、時代を超えて都市に愛され続ける建築。※

・東側からの全景

・1階エレベーターホール:エンタープライズ号のよう。

・屋上:案内板は距離と方向を示す。皇居の向こうに高層ビルが並ぶ。

・屋上は平日11時〜15時まで入れる。今回は休日に入れる貴重な機会。飲食はできないのは残念。
5月23日(土)15:30頃
【普連土学園中学校・高等学校 中学校舎】(特別公開)
1968年、大江宏が学園の教育理念をかたちとして表現することを目指して設計した普連土学園 中学校舎。2017年3月には東京都選定歴史的建造物にも選ばれています。起伏ある敷地を読み込んだ配置計画により、一般的な学校建築のかたちから外れ、2階から4階へと変化する構成が、学びの場に豊かなリズムをもたらします。合理性一辺倒に収まらない造形と空間の連なりも見どころです。教室棟の開口部に並ぶ5本の独立円柱と、その上に架かる宝形屋根が描く独自の外観を手がかりに、建築が支える日常の時間を味わってください。※

・全景:リズミカルな外観、軽快な屋外階段。

・中庭:列柱が小気味よい。
・近くにクウェート大使館、蟻鱒鳶ルもあり、見どころが多い。
5月23日(土)16:00頃
【慶應義塾 三田演説館】(特別公開)

・全景:なまこ壁の外壁。図書館旧館隣から移築復元された。

・内部:東京ヘリテージマネージャーの会代表による建物の解説、勉強になりました。
5月23日(土)16:30頃
【慶應義塾 図書館旧館】(特別展示)
1912年竣工、曾禰中條建築として知られる慶應義塾図書館旧館。※

・全景:慶應義塾の風格

・階段踊り場のステンドグラス
5月23日(土)18:00頃
【SHIBAURA HOUSE】(特別公開)
2011年、妹島和世さんの設計によるSHIBAURA HOUSEは、建築とまちがゆるやかにつながる公園のような場として誕生しました。全面ガラスと曲線階段によって各階が連続し、ワークスペースやイベントの場として日常的に使われています。2025年12月にオープンした宿泊スペースも含めて館内を歩きながら、浮遊感を生み出す構成やディテールを読み解き、使われ方の視点からも建築とまちの関係性を捉えます。※

・全景:隣のワンルームマンション?との対比が良い。10階のボリュームを5層で使う。1階から5階まで、見学者が一筆に連なる。

・1階(外から):天井を暗くしていることで、内部と外の風景が混じり合う

・2.5階:テラス ゲストハウスの共用スペース

・3階:ゲストハウス。妹島さんにより追加される。

・4階:テラス タワマンを取り込む

・5階:多目的スペース 東京タワーが見える
全体的に、改修やリノベーションなど、使えるものは大切に使う様々な取り組みを巡ることができ、良い機会でした。経済合理性から、再開発で似たような高層ビルが建ち並ぶことになっていますが、建築費高騰や資材不足、人手不足などにより、中断する所も多くなっています。先日観たコルビュジエとドーシさんのドキュメンタリー映画の解説で、建築祭実行委員長の倉方さん、建築史家の松隈さんが、「貧乏は一つの富なり」「貧乏は宝だ」ということを紹介してくれていました。解釈は誤っているかもしれませんが、今回の建築やまちを歩いて、どこも経済合理性とは異なる豊かさと、活用される様々な立場の方のご苦労と喜びとを感じることができました。
ガイドツアーでは、20名の定員の中、8割ほどの方が建築関係者以外の参加だそうで、建築に広く感心を持ってもらえていることに驚きました。建築祭を通して、普段、こんなにもまちや建築を見過ごしていることに気付かされました。ゆっくりと建築やまちを見る機会を設けていただき感謝します。次回はボランティアや東京ヘリテージマネージャの講習を受けて、是非参加したいと思いました。


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